Act.9

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突然の専務の行動に驚きながら返事をすると、出庫管理票を差し出しながら私に言った。 「悪いんだけどこれ、向坂部長のところに届けてくれるかな。今日のトレーラーの出荷で少し調整して貰わないとまた倉庫がパンクしそうだから」 「あ、はい……」 出庫管理票を受け取り、席を立った私に誠也が物言いたげに視線を向けた。 きっと大和さんとは話すなとでも言いたいのだろう。 けれど大和さんは仕事とプライベートを混同させるような人ではない。 たかが受領書1枚の受け渡しでさえ、気を使うような人だ。
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