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「じゃあ、行って来ます」
「はい、よろしく」
そして何よりも私自身、大和さんに会わせる顔なんてないだけに、積み込み中の彼に接触するつもりはない。
ただこの書類を向坂部長に手渡すだけだ。
倉庫とプレハブ事務所内の書類のやり取りの時、私は普段から専務の代わりにこうして倉庫に行っていたのだから何も緊張する必要はないのだ。
そう、いつもと何も変わらない行動だったのに。
ここから私を取り巻く環境は悲しいほどに歪んで行く。
私の居場所はどこにもないのだろうかと思えるほどに……。
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