Act.11

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しかし山頂にたどり着くまでの山道はとても険しく狭い道幅に急カーブの連続で、私のような鈍いドライバーが運転して行きたい場所ではないだけに、頂上まで登ったのは子供の頃が最後かもしれない。 「牛伏山なんて何年ぶりだろう……。行きたいです」 笑顔で答えた私に大和さんは無言で頷くと、エンジンキーを回した。 彼の運転で走り出した車は、市街地を抜け高速道路のインター脇を左に曲がって行く。 しかし自分の車を大和さんが運転している姿についつい見とれてしまった。 さすがプロドライバーだけあって、交差点を曲がるのもカーブのライン取りもとても丁寧で安心して助手席に乗っていられる。
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