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「私さ、てっきり遥香ちゃんは章吾に恋しちゃったのかと思ってた。だってバーベキューの時、章吾がやけに遥香ちゃんを気にしてたみたいだったし」
「あっ、それ違います。
あの時、私は宇梶さんに聞かれたんです。
大和さんに惚れてるのかって」
慌てて否定すると真尋さんは更に楽しそうに笑った。
「そっか、そういうことだったのかぁ。えらい勘違いしちゃったな私。あの時、結構必死だったのよ。
ずっと章吾は言葉では言ってくれないけど私のことを好きでいてくれるって信じてたからさ。
他の女の子に自分から話しかけてくのなんて初めて見たし……」
そこまで言って、真尋さんは言葉を止めてしばし考え込む。
そしてゆっくりとその瞳を私に向けると寂しそうな表情で呟いた。
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