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街灯なんてものはほとんどない山道を器用にハンドルを回して登って行く大和さんの運転センスの良さに感心していると、いつの間にか頂上付近の駐車場へとたどり着いてしまった。
「少し歩こうか」
「はい」
何だろう。
どこか寂しそうな表情の大和さんに一抹の不安を感じた。
けれど彼はライトを消して車を降りて行く。
それを追うように私も車から降りると、彼は転落防止の柵の前に立ち私へと振り返った。
そして彼は、私が予想もしていなかった言葉を口にする───。
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