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菜箸で2匹目の海老を油に落としながら真尋さんが首を傾げる。
「私がずっと大和さんを許さなかったから、彼は笑えなくなったんだと思うんです」
「え? どういうこと?」
さっぱり私の言葉の意味が分からないとでも言いたそうに真尋さんは尚も首を傾げた。
その様子に、真尋さんは大和さんから何も聞かされていなかったことを改めて確信する。
これもきっと大和さんの優しさなんだろう。
真尋さんにまで罪悪感や後ろめたさを背負わせたくないから、私が事故の被害者の娘であることも言わなかったに違いない。
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