Act.12

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「あっ、糸井さんおはよう! 今日から出庫受付のカウンター業務も任されるみたいだから。 分からないことだらけだし、色々と教えてね」 私に見せていたのとは全く違う佐俣さんの甘えた声にさすがに苛立ちを覚えた時、誠也はスーツの上着をロッカーにしまいながら佐俣さんに言った。 「悪いけど俺、入庫管理しか分からないから。仕事のことは阿部さんから教わって」 「えっ?」 「それと佐俣さん、俺がフォークリフトを降りたのが阿部さんのためだとかって言ってたらしいけど、それ違うから。 俺がフォークを降りたのは事故を起した自分が許せなかったからで阿部さんは関係ない。想像だけでいい加減なことを言わないで欲しい」 「…………」
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