Act.12

12/36

291人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「だから……笑ってください。楽しい時、嬉しい時、そして……辛い時。大和さんにも私は笑って欲しいです」 「阿部さん、俺は……」 言いかけた大和さんの言葉を私は遮って涙を拭きながら言った。 「もうこれ以上……惨めにしないでください。 今まで守ってくださってありがとうございました。 だけど大和さんに私を守る義務はありません。 事故の賠償も償いも、もう十分して頂きました」 「…………」 「明日から3日連続で横浜2便になると思いますから。 今日はもう帰ってゆっくり休んでおいてください」 無理やり笑顔を作った私は、立ち尽くす大和さんから離れ助手席に乗り込んだ。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

291人が本棚に入れています
本棚に追加