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「だから……笑ってください。楽しい時、嬉しい時、そして……辛い時。大和さんにも私は笑って欲しいです」
「阿部さん、俺は……」
言いかけた大和さんの言葉を私は遮って涙を拭きながら言った。
「もうこれ以上……惨めにしないでください。
今まで守ってくださってありがとうございました。
だけど大和さんに私を守る義務はありません。
事故の賠償も償いも、もう十分して頂きました」
「…………」
「明日から3日連続で横浜2便になると思いますから。
今日はもう帰ってゆっくり休んでおいてください」
無理やり笑顔を作った私は、立ち尽くす大和さんから離れ助手席に乗り込んだ。
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