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翌朝、出勤した私が事務所の裏の更衣室に足を進めるとそこにはもう佐俣さんの姿があった。
会社を辞めることも一瞬考えたけれど、こんなことでくじけるような自分を大和さんだけには見せたくない。
私自身が強く生きなければ、彼もきっと歩み出せないのだと己に言い聞かせ私は佐俣さんに笑顔で挨拶した。
「佐俣さんおはようございます」
「おはようございます」
返事はしてくれていても、彼女の瞳は全く私の方へ向く気配はない。
それでも私はめげずにもう一度佐俣さんに声を掛けた。
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