Act.12

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「糸井さんの件、俺の勘違いだった」 「はいっ?」 「あの人は俺が思ってた以上に阿部さんのことを大切にしていたみたいだ」 「…………」 大和さんの口から誠也を庇うような言葉が出て来るなんて思いもしなかっただけに、私はどう反応していいものか戸惑った。 押し黙ったままの私の瞳に映り込む街の夜景がゆらゆらと揺れている。 けれど彼もまた街の灯りをぼんやりと眺めながら言葉を続けた。
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