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そしてしばし配車表を見つめた後、ふいに顔をあげる。
「正直、驚いた」
「えっ?」
「阿部さんはそこまで倉庫の人たちのこと考えてるとは思ってなかった」
「……佐俣さん」
「だけど私は阿部さんには負けないからね」
唇を少し尖らせながら言った佐俣さんに思わす私は笑みをこぼしてしまった。
確かに佐俣さんはたくさん嘘をついている。
だけど彼女の負けず嫌いなところは見つめる角度によっては彼女の長所とも考えられないだろうか。
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