Act.12

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出庫伝票を打ち出すパソコンの準備を始めた佐俣さんに私は覚悟を決めて向き合った。 「佐俣さん、配車管理と出庫管理は常に連携を取り合って協力的にしないと確実にミスが起きるの。だからこれから私と佐俣さんは仕事においては一番大切なパートナーってことになる」 「…………」 「私が困った時は助けを求めるから、佐俣さんも困った時は私を頼ってね」 微笑みながら言った私を唖然と見つめる佐俣さんと誠也の姿に小さく笑った時、事務所のドアが勢いよく開く。 何事かと思いながら私たちが視線を向けた先にあったのは、青ざめた表情の真尋さんだった。 「遥香ちゃんっ……」 私の名を呼んだ真尋さんはそのままカウンターの向こうで床に座り込んでしまった。
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