Act.12

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「俺も親バカが直らなくてね。どうしても娘には甘くしちゃうんだよ」 「いえ、春日さんは本当に素敵なお父さんだなって思います」 「遥香ちゃんにそう言われると嬉しいね。自分の娘に言われてるのと同じだからなぁ」 私と春日さんのやり取りを無言で見つめていた誠也は小さく首を振るとカウンターの中へと戻った。 同時に今日の入庫受付のドライバーたちが事務所へと押し寄せて、私と佐俣さんはそれを横目に今日の出庫伝票の入力を始めた。 宇梶さんのことはとても心配だけど、私もこの仕事に関してはプロ意識を持っているだけに投げ出して病院へ行く訳にはいかない。 佐俣さんに仕事を教えつつ没頭していると、誠也の入庫受付も落ち着きを取り戻した午前9時半。 事務所の前に横浜から戻った大和さんのトラックが停車する。
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