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そんな後悔を、たとえ憎むべきタチバナヤマトであってもして欲しくないと誠也は思っているのだろう。
けれどしばし誠也を悲しそうに見つめた大和さんは穏やかに言葉を紡いだ。
「それでも仕方ない。俺も章吾もプロドライバーで、自分たちの仕事に誇りを持ってる。信用を得ることも出来ないやつがハンドルを握る資格なんてない。それが章吾の口癖だ」
「………」
「だからもしも俺が事故で意識不明になっても章吾は仕事を投げ出して俺に会いに来るなんてことは絶対にしない」
「ただのトラックバカじゃないのか?」
冷たく言い放った誠也に大和さんはふっと小さく笑って答えた。
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