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「阿部さん、俺の代わりに入庫受付出来るよね?」
「出来るけど……」
「専務には俺が言っておくから心配いらない」
そう言って誠也は事務所の奥の更衣室へと入って行った。
それを見つめていた佐俣さんが小声で呟く。
「もうっ、何なの?
結局みんながみんな思いやりあっててムカつく!」
「横浜行の出庫指示書、お願いします」
まるで何事もなかったかのように言った大和さんに、ますます佐俣さんの瞳は吊り上った気がする。
「はいどーぞ! さっさと積んで帰りなさいよ!」
「ありがとう」
小さく笑った大和さんがそう言うと、吊り上っていたはずの佐俣さんの瞳が気まずそうに私に向いた。
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