Act.12-2

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「阿部さん、俺の代わりに入庫受付出来るよね?」 「出来るけど……」 「専務には俺が言っておくから心配いらない」 そう言って誠也は事務所の奥の更衣室へと入って行った。 それを見つめていた佐俣さんが小声で呟く。 「もうっ、何なの? 結局みんながみんな思いやりあっててムカつく!」 「横浜行の出庫指示書、お願いします」 まるで何事もなかったかのように言った大和さんに、ますます佐俣さんの瞳は吊り上った気がする。 「はいどーぞ! さっさと積んで帰りなさいよ!」 「ありがとう」 小さく笑った大和さんがそう言うと、吊り上っていたはずの佐俣さんの瞳が気まずそうに私に向いた。
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