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「こんな大手の倉庫の専属で、しかも定期で仕事を貰えるチャンスなんて、この先もうないぞ」
「……確かにそうですね」
頷いた俺におやっさんは、小さく笑うと穏やかな笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「それに……真尋のそばにもいてやって欲しい」
「おやっさん、それは章吾が……」
「違うんだ。男と女としてではなく、家族として」
「それは……今までもずっとそう思って来ました」
「うん、分かってる。だけど今まで以上に支えてやって欲しい」
おやっさんの言葉の裏に何か深い理由がある気がして俺は問いかけた。
「おやっさん、何か……隠していませんか?」
するとおやっさんはその穏やかな微笑みを崩さぬまま、悲しい現実を口にする。
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