330人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
そしておやっさんの願いも……全てが神に導かれた運命なら、俺はそれに抗うことは許されない。
「直接……」
「えっ?」
「明日、イベント会場で手渡しでもいいですか?」
「…………」
黙り込んでしまった彼女は、戸惑いの表情で俺を見上げる。
きっと返事に困っているのだろう。
真尋との番号交換を終えた誠也の瞳が彼女をしっかりと捕えていることに気づき、俺は彼女に言った。
「すみません。仕事とプライベートを混同させるのは、いけないことでした」
「……っ……」
やっと分かった。
誠也と阿部遥香の関係性が。
最初のコメントを投稿しよう!