Act.15 Side Yamato

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その程度にしか思わなかった俺は、誠也に軽く会釈だけしてからおやっさんに頭を下げた。 「おやっさん、仕事回してくださってありがとうございます。おかげ様で相模まで空車で走らずに済みます」 「いや、こっちこそ急に頼んですまないね」 その時、事務所のドアから真尋が突っ込みを入れて来る。 「ホントよ。いつもお父さんは急すぎるのよ」 しかし春日のおやっさんは真尋の言葉をスルーして、後から事務所に入って来た彼女に声を掛けた。 「あ、遥香ちゃん、来週から俺の後継で横持ちに入ってもらう運転手の件なんだけど……」 その件は断らなければと思いながらも、ここで言うのはどうかと考えた俺は言葉を飲み込む。
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