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その程度にしか思わなかった俺は、誠也に軽く会釈だけしてからおやっさんに頭を下げた。
「おやっさん、仕事回してくださってありがとうございます。おかげ様で相模まで空車で走らずに済みます」
「いや、こっちこそ急に頼んですまないね」
その時、事務所のドアから真尋が突っ込みを入れて来る。
「ホントよ。いつもお父さんは急すぎるのよ」
しかし春日のおやっさんは真尋の言葉をスルーして、後から事務所に入って来た彼女に声を掛けた。
「あ、遥香ちゃん、来週から俺の後継で横持ちに入ってもらう運転手の件なんだけど……」
その件は断らなければと思いながらも、ここで言うのはどうかと考えた俺は言葉を飲み込む。
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