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「誠也のことだけど……」
「うん」
「やっぱり真尋には言わないでくれ」
「…………」
「それとあの事故の後にな……俺、誠也と会ってるんだよ。
その時に俺……誠也と話す勇気がなくて無視したんだ」
「ちょっと待てよ。何で章吾がそんな……」
言いかけた俺の言葉を章吾は遮ってその言葉を放った。
「俺が、誠也の母親を殺したからだ」
「……え?」
「だから俺は……誠也に向ける顔がないって思った」
「……意味が……分かんねぇよ」
「とにかくそういう事だから。アイツに対して責任があるのは俺だけで、大和は誠也に遠慮なんてする必要はないからな」
そう言って章吾は俺の肩を叩くと、陽向を見送った真尋の隣へと行ってしまった。
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