332人が本棚に入れています
本棚に追加
片付けを終えた俺達は、先頭を走る真尋に続いてイベント会場を後にする。
さっき電飾のスイッチを入れさせた少年も会場出口に出来上がった花道から大きく手を振ってくれている。
それに応えるべく、俺は新幹線のように音が響くエコーエアーホーンのスイッチを押してやった。
通常のエアーホーンよりも多くのエアー圧力が必要なホーンなだけに普段はこれを鳴らすことはほとんどないけれど、甲高く響き渡った音に少年の瞳が更に嬉しそうに輝いて俺も少しだけ幸せな気持ちになった。
「じゃあ俺は明日、海老名から積み込みだからこのままこっちで一泊するわ。
真尋、バーベキューセットは真尋んちに置いといて。
休みの時にでも取りに行くから」
無線から聞こえて来た章吾の言葉にどこか寂しそうな真尋の返事が返される。
「分かった。明日の積み込みまで時間あるからってお酒飲み過ぎるんじゃないわよ」
「はいはーい。じゃ大和、真尋のことよろしくー」
最初のコメントを投稿しよう!