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普段は運転席でそのまま手に持って食べる弁当だけど、さすがに彼女はそれでは食べにくいだろう。
章吾が作ってくれたラックはフロントガラス側に組んである板を起こしてやると小さいけれど一丁前にテーブルなんてものが出来上がる仕組みになっている。
立派な機能であっても一度も使った事がないその板を一か八かで起こしてみた。
「わ、凄い。テーブルなんてあるんだ」
便利な機能に感動する彼女にも、章吾の腕の良さにも安堵しながら俺は彼女に問いかけた。
「狭くないか?」
「大丈夫です。だけど小さなお部屋みたいですね。冷蔵庫もあるしテレビもあるし」
「まぁ一週間のうち半分以上はここの中で生活してるから」
そう答えたけれど、確かにこのキャビンは俺の部屋と同じ意味を持つ。
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