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「じゃ俺のトラックの中で食う?」
「はいっ!」
今にも手を挙げそうな勢いで返事をする彼女に、また笑いそうになって俺は背中を向けた。
まさか彼女と自分のトラックの中で一緒にコンビニ弁当を食うなんて展開になるとは思わなかったけれど、これでハッキリした。
やはり誠也は俺が橘大和であることを彼女には伝えていないのだ。
そして彼女は誠也と一緒に暮らしている訳ではないことも分かった。
運転席のドアに鍵を差し込みながらチラリと見れば、彼女が下げているコンビニ袋の中には弁当がひとつだけだった。
「助手席側はフラットだから運転席から乗って後ろのベッドしか居場所ないけど」
「あっ、はいっ」
ドアを開けて、彼女にどうぞと促しながら思った。
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