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一瞬彼女が何を言いたいのか理解出来なかった。
首を傾げた俺に彼女は、顔を真っ赤に染めて訴える。
「だって……スカートだし……」
言われてから改めて彼女の姿をまじまじと見てやっと分かった。
ひざ丈のミニスカートなだけに、このステップを登ったら俺の視界は彼女のスカートが占拠することになるだろう。
さすがにトラックの運転席にスカートの女性を乗せた経験がない俺は、とんでもなく鈍感だったらしい。
慌てて俺が背中を向けると、少しして彼女の申し訳なさそうな声が聞こえた。
「あの、乗れました」
「うん」
頷いてから俺は両手に弁当を持ったまま運転席へと乗り込む。
普段俺のトラックで香る香水とは違う香りが立ち込めるキャビンに、ほんの少しだけ緊張しながら。
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