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「親も大切に出来ないような人間だったら、最初から不動君に仕事をお願いしようなんて思わなかったよ。
いくつになったって親は親だし、息子も息子だろ」
「……ありがとうございます」
今まで色々な荷主と付き合って来たけれど、こんなにも温かい人たちがいる倉庫は初めてだった。
微かに熱を帯びた瞼を瞬きして残りの荷物を積み上げる。
「あと1パレだから取って来るね」
「はい」
笑顔で荷台から降りて行く向坂部長の背中に、深く頭を下げた。
またいつか、俺がここに戻れることが出来たなら……。
この人たちに今まで以上に頼りにされるドライバーに成長しようと心に誓いながら。
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