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やっぱりな、と思った。
誠也の行動は全てが阿部遥香へと繋がっている。
「あんなにも糸井さんに思われてるのに、阿部さんも何も分かってないし本当にムカつくのよね」
「……だから佐俣さんは彼女に意地の悪いことするんだ。
本当はそんなことはしたくないのにな」
俺の言葉に佐俣彩愛は一瞬ギョッとして、すぐさま取り繕った。
「バカいってんじゃないわよ!
嫌いだからに決まってるでしょ!」
「へえ。
だけど俺は阿部さんが好きだから庇った訳じゃない。
ただ糸井さんの汚いやり方が許せなかっただけだ。
佐俣さんが言う事が本当ならどうして惚れてる女を手放すような事するんだよ?
言ってる事とやってることが矛盾してるとは思わねーの?」
「…………」
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