Act.23 Side Yamato

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「お望みどおりに、とことんまで泣かせてやるよ」 落とした言葉に佐俣彩愛は瞳を泳がせながらも、必死に食い下がって来る。 「ふっ……さすがガテン系は強気よね。そういう獣みたいな男の目、すごく好き」 けれどもう俺には痛々しいとしか受け取れなかった。 荷台に押しつけた佐俣彩愛の細い腕は、小刻みに震えていたからだ。 「アンタさ……どうしてそこまで誠也のために必死になれるの?」 「……な……何言って……」 「何か弱みでも握られてんの?」 「……違うわよ」 「じゃあどうして?」 「…………」 押し黙って俺を睨みあげる佐俣彩愛の腕を解放しながら、俺は穏やかに言葉を放った。
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