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覚悟はしていたけれど、運転席でため息をつく彼女の姿が見えてたまらなく胸が痛くなった。
誠也との幸せを願っているはずなのに、彼女を目の前にすると心が悲鳴をあげているようで、抑えきれない思いが俺を突き動かす。
トラックから降りようとした時だった。
『もうじき真尋の車庫に着くよ』
章吾から届いたラインが、俺の理性を取り戻させた。
ついさっき誠也に言ったはずだ。
彼女を幸せに出来るのは誠也だと。
そう、俺じゃない。
もう一度自分にそう言い聞かせてから、俺は彼女の車に歩み寄った。
すると彼女も観念したかのように、車を降りて来て俺の前に立つ。
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