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「あの女の言うことは絶対に信じるな」
「えっ?」
唐突な言葉に唖然とした彼女が瞳を持ち上げ俺を見た。
その瞬間、車庫に到着した真尋の車の助手席から章吾の悲痛な叫びが放たれる。
「大和ぉ! お前、俺まで巻き込むなよ」
別に巻き込んだつもりもないし、俺が呼ばれたということは章吾に関しては無条件参加だ。
「真尋がまた料理作るって張り切ってんだ。章吾が毒見しないで誰が毒見するんだよ」
「ひでぇこと言うな大和。おい真尋、何とか言ってやれよ」
「まぁ大和よりは章吾の方が胃腸も強そうだもんね」
「なんだよそりゃあ」
不満を漏らす章吾に阿部遥香の瞳も俺から移動して楽しそうに緩められた。
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