Act.23 Side Yamato

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……どうして? 心でそう思った瞬間、真尋が運転する車がおやっさんの待つ家に着く。 「うわ、お父さんたらもう素麺茹でちゃったんだ」 「おやっさん、やる気満々だな」 「章吾も大和も素麺だけじゃ足りないかと思ったから、天ぷらでも揚げようかと思ってたのに」 真尋と章吾のやり取りに阻まれ、彼女に言葉を返すタイミングを一瞬見失う。 しかし二人が車を降りたのを確認してから、俺もゆっくりと後部席のドアを開けながら彼女に言った。 「阿部さんは俺に謝るようなことは何もしてない。謝るのは俺の方だから」 そう、彼女は何一つ悪いことなんてしていない。 ただ、大切な父親の死を悲しみ、 ただ、愛する誠也を信じて来ただけ。
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