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彼の肩に額を乗せながら流れゆく景色に目を細める。
何も言ってくれないけれど、確かに感じられる彼の愛。
きっとそれは同じように彼も私の愛を感じてくれていると思う。
静かにお互いの思いを確かめ合う私たちを天国の父はどんな思いで見つめているのだろう。
私を誰よりも理解し、心配してくれた父を死に至らしめたのは彼だった。
だけど……それでも私は彼と笑顔で向き合う未来を心から願う。
全てを乗り越えて、この人をただ真っ直ぐに愛したいと思う。
お父さん、それでも許してくれるよね。
だって私……初めて知ったんだ。
身体ではなく心で結ばれることが……。
────こんなにも幸せなことだって。
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