Act.27

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「実は章吾が復帰したら、この横浜定期の仕事を引き継いでもらおうと考えていた」 「えっ?」 大和さんの決断を聞かされた瞬間、さすがに動揺する。 けれど彼は淡々とその理由を口にした。 「母親がまた入院したんだ。たぶん……もう長くないと思う」 「…………」 「俺の母親はさ……磐梯山の麓の小さな農村の生まれで、親父と離婚して生まれ育った村に戻ったんだ。 だから今回入院したのも会津若松の病院」 「そうなんですか……」 「うん。お袋の最期くらいは看取ってやらないとって思ってるから。会津に行くことになる」 まるで他人事のように言いながらも、彼の横顔は寂しそうに流れゆく光を追いかけている。
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