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オレンジ色のトンネルを駆け抜けて行く彼のトラック。
この光の先にどんな明日が待ち受けているのかなんて分からないけれど、きっと私は乗り越えて行ける。
強く正しく、そして自分に素直に生きるべきだと……。
────彼が教えてくれたから。
メーターパネルの光にぼんやりと照らされる彼の瞳は、真っ直ぐに前を見つめている。
今までの彼とは少し違う瞳の力強さに胸をときめかせながら、私は運転席のシートの後ろに額を押し当てた。
シートを挟んだ彼の背中を感じながら瞼を伏せれば、それだけでも幸せな気持ちになれた。
直接触れている訳ではないのに、彼の温もりを感じられた気がして小さく笑う私は、どうしょうもないほどに彼に恋をしている。
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