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「俺は必ず……また君を見つけます」
「……はい……」
「今はそれしか言えないけれど……信じていて貰えますか?」
問いかける大和さんの瞳は、今までとは全く違う。
加害者だった橘大和ではなく……。
私が恋した不動大和、そのものだ。
自然と溢れ出した涙が空に浮かぶ月を滲ませて、やがてはらはらと私の頬を伝って落ちた瞬間。
こみ上げた想いが堪えきれなくて、私は彼の胸に顔を埋めて小さく頷いた。
直接伝わって来る彼の鼓動が少し早い。
だけどそれがたまらなく嬉しくて、だけど少しだけ切なくて。
もう一度彼の瞳を自分の瞳に焼き付けたくて、顔を上げた時だった。
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