Act.27

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私の額に優しく触れた彼の唇。 その感触に驚いて瞬きを早めた私に彼は小さく笑うと、力強く抱きしめてくれた。 お互いが微かに身体を震わせる。 けれどそれはお互いが心を重ね、こうして抱き合えることに歓喜しているかのようで。 好き……あなたがずっと……好き。 たとえ世界中の人たちが私たちのことを反対しても。 自分の父親を死に至らしめた男に恋をした愚か者と言われても。 私は……もうあなたしか愛せない。 彼の背中に回した手に力がこもって行くのは、この気持ちを受け止めて欲しいから。 けれど彼もそれに応えるかのように私を力強く包んでくれる。 5年間探し続けたこの温もりを…… ────私はもうきっと見失うことはない。
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