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────翌日。
大和さんが横浜から戻り事務所に入って来ると同時に佐俣専務が席を立ちカウンターへと歩み寄った。
「不動君、横浜定期の件なんだけど」
唐突な専務の言葉に、事務所のドアの前で大和さんも戸惑いながら返事をする。
「ああ、はい」
「宇梶君の復帰を待つつもりか?」
「はい。加賀美流通倉庫さんにご迷惑は掛けたくありませんのでそのつもりですが……」
しかし専務は、静かに首を振った。
その専務の行動に私も誠也も一抹の不安を覚え、思わず視線を交差させた時だった。
「もう明日から横浜は走らなくていい」
専務の放った言葉で事務所の中が凍りつく。
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