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「……ありがとう……ございます」
言葉に詰まりながら大和さんは専務に深々と頭を下げると、そのまましばらく頭を持ち上げなかった。
その様子を無言で見つめていた誠也と私は改めて佐俣専務の器の大きさを知り胸が熱を帯びて行く。
すると私の隣で佐俣さんが小さく笑いながら言った。
「ホントに叔父さんは気に入った人にはとことん甘いんだから」
「彩愛、事務所では叔父さんと呼ぶなって言ってるだろう」
「はいはい、専務、申し訳ありませんでした!
だけど専務こそ彩愛って呼ばないでくださいね!」
佐俣さんと専務のやり取りに私と誠也の表情もほころぶ。
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