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「行きたくないなら別にいいけど」
「行きますっ!行かせてください!」
すかさず返事をする佐俣さんにまた私と誠也は笑った。
きっと誠也も明日へ歩み出そうと頑張っているんだと思う。
今度こそ本当の幸せを見つけるために。
「さて、帰りますか」
誠也の言葉で私と佐俣さんもロッカーから荷物を手に取り事務所を出る。
「阿部さんも一緒にフレンチ行く?!」
「私は遠慮する」
「え? ……いいの?」
「うん、いいの」
私と佐俣さんのやり取りを聞きながら誠也はクスクスと笑って。
三人で駐車場に向かいながら見上げた空には、眩いほどの星たちが輝いていた───。
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