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「あっ……ありがとうございます」
「うん」
おかげでスカートを太ももまでずらさずとも私は運転席に乗り込むことが出来た。
急いで靴を脱ぎ後ろのベッドへと移動すると、それを見届けた彼が運転席に乗り込んで来る。
身体を折り曲げ私の靴を手にした彼はコンソールに置いてあったタオルを敷いてその上に置いた。
「ごめん。運転する間は足元にあると危ないから」
「いえ、あのっ……どうもすみません」
「え? 何が?」
「あの……タオル汚してしまうのも、お仕事が忙しいのに送って頂くのも……」
だって彼はこれから横浜に向かわなくてはならない。
長野からならそのまま長野道から山梨経由で横浜に向かった方が断然早いのに、私がいるばかりに群馬経由で行かなくてはならないのだから。
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