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「うわぁ……やっぱり高いですね」
思わずそう呟いてしまったのは、前を走る自動車の天井が自分の膝くらいの感覚に思えてしまったからだ。
「気をつけるけど、急ブレーキとか踏むかもしれないから運転席のシートに掴まってるように」
「あっ、はいっ」
大和さんに注意されて自分が思いきり身を乗り出していたことにようやく気付いた。
まるで欲しかったおもちゃを与えられたばかりの子供のように興奮している自分が無性に恥ずかしいと思った瞬間だった。
それまで和やかだった空気を遮るような大和さんの低い声が突然語り始める。
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