Act.29

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お互いが顔を見合わせながら笑うことが出来るこの時が。 ようやく訪れたことに、とてつもない幸福感を覚える。 「晩飯は?」 「披露宴のお料理が美味しくてたくさん食べちゃったから……」 「そう。じゃあ軽く何か買って行けばいいか」 「大和さんはお腹空いてますか?」 「いや、駅で蕎麦食ったから」 そう言いながら彼が駐車場のゲートでチケットを精算機に差し込むと、そこに表示された駐車時間で私の目頭が熱くなった。 だって彼は私が郡山に降り立つのを……5時間以上も待ってくれていたのだから。
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