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大丈夫。
あなたの親を思う気持ちも、親友たちの幸せを願う優しさも。
───私は理解しているから。
歩きながら見上げた彼の横顔が街の灯りに映し出され、その目元は微かに細められている。
静かに流れる私たちの時間。
何も言葉などなくても伝わるお互いの思い。
どんなに離れて暮らしていても、私たちの気持ちは揺らいでいない。
それはつまり……この愛しさはつり橋効果でもなく、罪悪感でもないと今なら胸を張って言える。
「大和さん」
「うん?」
「母に話したの」
「……うん」
私の言葉に頷きながらも、彼の細められていた瞳は一瞬で不安をあらわにした。
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