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「一緒に暮らさないか?」
「…………」
唐突すぎた俺の言葉に、彼女はおたまを持ったまま固まっている。
けれどこの言葉の意味を彼女が自分の中で噛み砕いて、理解するまで俺は無言でじっと待つ。
どれくらいの時間が経ったのだろう。
やがて背中を向けた彼女は鍋のカレーをかき混ぜながら小声で言った。
「じゃあ……もう少し広い部屋がいいかな……」
そう言いながらも彼女の耳は真っ赤に染まっていて。
その姿にとてつもなく満足する俺がいる。
君の心を揺らすのも。
君の愛を受け止めるのも。
一生俺だけでありますようにと心で強く願う。
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