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「何?」
「いえ……」
「ふ……何だよ、言ってみな?」
小さく笑いながら問いかけると、彼女は意を決したように深呼吸してから答えた。
「何か……これからはこうして大和さんと一緒にキッチンに立ったりするのかなって考えたら……」
「考えたら?」
グラスを手にしながらもう一度聞いてみる。
すると彼女はカレーをすくいながら楽しそうに笑って言った。
「すごく楽しそう」
「そう?」
「うん、だって大和さんほとんど自炊とかしたことないでしょう?」
「うん」
言われる通り、俺の家のキッチンに生活感なんて全くないしそれは明らかな事実だ。
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