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「バーベキューの時に包丁を持った大和さん、かなりヤバかったし」
「…………」
「絶対大和さんに包丁は持たせられないですよね」
そう言って彼女はまた楽しそうに笑った。
その横顔を見つめながら思う。
やっぱり遥香にはいつもこうして笑っていて欲しい。
どんな小さなことでもいいから。
彼女が笑ってくれたら俺はそれだけで生きる意味を見出して行けるんだ。
「じゃあ料理は遥香が担当で、俺は洗濯を担当する」
「えー? 長距離出たら洗濯出来ないじゃないですか」
「じゃあ掃除する。週に1度は確実に出来るし」
まるで子供の戯れみたいに交わす会話だけど。
俺達は確かに今、感じている。
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