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もはや他に答えなんてない。
「超、美味い」
「本当……に?」
「うん」
「良かった! あ、一晩経ったカレーだからまろやかなのかな?
でもテレビで言ってましたよね、本当はカレーは一晩経ったものより出来立てのが一番美味しいとかって。実際どうなんでしょうね?」
たぶん照れ隠しなのだろう。
やけに饒舌に会話しようとする彼女の右手から俺はスプーンを取り上げ語りかけた。
「遥香」
「……っ……はい」
「昨日食べた出来立てのカレーと、今から食べる一晩経ったものとどっちが美味いが食べ比べてみな?」
「……うん……」
小さく頷きながらも、取り上げられたスプーンの行方を凝視する彼女。
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