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「あのね……本当はあの時から私は大和さんに恋をしていたんだと思う」
「えっ?」
「自分の父親が亡くなったのに……私……大和さんがあれからどうなったのか気になって仕方なかった」
「…………」
「今思うとすごく非常識な娘だったなって……」
そう言って彼女は悲しそうに笑った。
だけどそれは彼女だけではなく。
「俺も同じだよ。
あんな事故を起こしておきながら……ずっと遥香がここから消えなかった。
俺もあの日、君に恋をしたんだと思う」
そう言いながら俺は自分の胸に手を置いた。
「大和さん……」
「非常識だったのは俺も同じだよ」
けれどひとつだけ、俺達の思いが間違っていなかったと言い切れるなら。
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