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「だけど俺は遥香を愛したこの人生に誇りを持って生きている。
過去を忘れず、だけどこれからの未来を諦めることもしない」
「……うん」
「俺と遥香が笑顔で生き続けることが、遥香のお父さんの願いだと思うからな」
俺の言葉に彼女は頷くと、頬を乗せていた胸に軽く唇を触れさせる。
そして静かに瞼を閉じて小さく笑って言った。
「大和さん、あなたと出逢い愛し合えたことを私も誇りに思っていいですか?」
「遥香……」
「時々幸せ過ぎて恐くなるけど……私はもうあなたから逃げたりしない。
だから……」
そこまで言って彼女は瞼をゆっくりと開き俺を真っ直ぐに見つめた。
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