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「少しでも真尋に寂しい思いをさせないためだろ」
「それは……分かってるけど……」
「誠也の件はさ、周りが何を言おうと最終的には誠也と佐俣さんの問題で俺達は静かに見守ってやることしか出来ないんだよ。
だけど遥香が言うように誠也は佐俣さんの気持ちを大切に考えているからこそ、時間が必要なんだと思う」
「……でも……」
「じれったい真尋の気持ちも分かるけど、男にはどうしても譲れないものがあるんだよ。分かってやってくれ」
「…………」
黙り込んだ真尋の様子を伺いつつ、俺を心配そうに見つめる遥香の髪を優しく撫でてやると彼女は小さく頷いて笑みを見せた。
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