331人が本棚に入れています
本棚に追加
「うん?」
「……いえ……」
「何だよ。言ってみな?」
物言いたそうな彼女はとても分かりやすいのに。
言っていいものか迷う表情をしばし見せた後、彼女は意を決したように問いかけて来た。
「大和さんは真尋さんのこと……」
「……は?」
「あっ、えーっと……その……」
慌てて両手をブンブンと振って誤魔化そうとしている彼女の姿だけでいったい何を言いたかったのか悟った俺は、自分からその続きを答えてやった。
「女として見たことはないな。
真尋は俺にとっては、ずっと可愛い妹だったし」
「…………」
「あ、もしかしてヤキモチ……」
言いかけた俺の言葉を阻止するように彼女は大声で答える。
「ちっ、ちがっ!あっ、だけど……」
最初のコメントを投稿しよう!