オマケ③■真尋Side 溺愛

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まさかの言葉に一瞬固まってしまった。 いつもの私が一番可愛いなんて章吾が言ってくれるとは思わなかったからだ。 でも章吾は硬直状態の私の頬に優しいキスをしながら囁く。 「だからもう泣くな」 「……え?」 「家に帰って一緒に風呂入ろ」 「……う、うん」 「いきなり馬乗りなんかするから。真尋の顔まで汚れちゃったじゃねーか」 「…………」 「涙の跡がホコリで黒くなってんぞ」 章吾に言われてやっと気づいた。 私の頬にはいくつもの涙の跡があったということに。 それを笑いながら章吾はツナギのポケットから取り出したミニタオルで優しく拭いてくれて。 さっきは必死に走って来た道を章吾の車の助手席に座って戻って行く。
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